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2023/09/06
【Experts Review ∥ LEVIN】 : La’cryma Christi(ラクリマ・クリスティー)のドラマーLEVIN氏が、自身が持つスタジオ「lab.L(ラボ・エル )」 にてべイヤーダイナミックとの関わりやエピソードを語ってくれた。
“やっぱすごく信頼性のあるマイクメーカーなのだなと思いましたね”
ベイヤーダイナミックを知ったきっかけは?
LEVIN : まあ、ここlab.L(ラボ・エル )はいろんなサウンドエンジニアさんが来るんですけど、あるエンジニアさんがリボンマイクのM 160 を持ってきたのが最初のベイヤーとの出会いでした。すごくその印象が良く自分も欲しいなと思って、自分はM 130 を買いました。それをきっかけにベイヤーを掘り下げていって、いろんなマイクを買っていったという流れです。
この業界ではM 160 はものすごく定番で、その後にも何人かそれを持参したエンジニアがいたので、やっぱすごく信頼性のあるマイクメーカーなのだなと思いましたね。
-どのようなエンジニアの方がよく使っていましたか?
LEVIN : エンジニアの中でも特に海外に視野を広げているタイプのエンジニアさんはベイヤーへの信頼性はめちゃめちゃ高いですね。でも、日本でしか活動していないエンジニアさんはベイヤーのことを知らない人がまだ多いかもしれないですね。
-海外スタジオでは定番になっているからそのような傾向があるという感覚ですか?
LEVIN : そうですね。海外で働いていたエンジニアさんとかも結構このスタジオに来ていますけど、やっぱりそういう人がベイヤーのマイクを持参したり、ヘッドホンを使っていることが多いので、やっぱ日本が圧倒的にまだ知名度が低いという印象です。
海外のトレンドが日本に浸透するまでやっぱ時差があるんですよ。だいぶネットのおかげでその時差は縮まったんですけど、それでもまだ遅い印象はあります。アニメとか一部のカルチャーは日本がスタートだけど、音楽とかに関してはやっぱり遅くて、機材に関してもまだあると思います。なのでベイヤーもこれから追いついてくるんだと思います。
“M 201は絶対に買って損しないマイク、100%いいマイクですね”
一番お気に入りのベイヤーのモデルとそのモデルの推しポイントは?
LEVIN : マイクのM 201。このスタジオにくるエンジニアさんたちは別メーカーの定番マイクを選ぶことが多いのですが、その時にこのマイク M 201を試してみませんかって言って実際に使ってもらったら100% 気に入られるんですね。
ライブに関しても自分がライブやるとき持参するのですが、確実にPAさんが良いっていいますし。なので、M 201は絶対に買って損しないマイク、100%いいマイクですね。
少し他社定番モデルよりは高いですけど、まあ頑丈ですし、俺も何年もライブやレコーディングで愛用していますが、壊れないですし、とにかく素晴らしいマイクですね。
絶対2本買った方がいい。四の五の言わずにもう今日買った方がいい(笑)
普段、勧められたマイクが良くても、やっぱり使い慣れているマイクに戻すことってあるじゃないですか。ただM 201に関しては「これめっちゃいいからこれでやります」って、そのまま採用されることが多いですね。やっぱ知名度がまだ足りないので、こんなにいいマイクが現状定番になっていないのが勿体ないと思うくらいです。
“スタイルに合った機材を所有すべきだし、そのノウハウも持っておくべき”
ドラムマイクセッティング時にこだわっているポイントやアドバイスはありますか?
LEVIN : 録りたい音とかジャンル、ドラマーのスタイル、いろんな要素によって選ぶマイクも違うし、角度、置き方もその都度違うんですね。なので、必ずこうするセオリーってない方がいいと思っているんですよ。いわば、「ないのがこだわり」というか。変に「こうしなきゃいけない」とか「いつもこうしているからこうだ」とか、「師匠がこうしているから、どんなドラマー、どんなジャンルでもこうだからこのマイクを使う」って方、結構多いんですよ。
概念と時代にとらわれないってことですかね。流行りの音っていうのは日々進化、変化しているので、昔の録り方で止まっているエンジニアの方も結構多いと思います。
ただ、時代はそうではないから新しい録り方を常に研究するべきだと思うし、新しい機材っていうのはその時代の流行っている音が録れる製品が多いので、そういうのをチェックするべきだと思うし、それと同時に古くから変わらない定番製品の良さもあると思うので、それも押さえつつ常に時代やドラマー、いろんなスタイルに合わせて変化させることが求められていると思っています。
こだわりは持たずどんどんマイクを買って、いろんなマイクを試すことが重要ですね。
だいたいのことは定番マイクのセットでできますが、それだけではすべてのジャンル、スタイルはカバーできない。なので、そのスタイルに合った機材を所有すべきだし、そのノウハウも持っておくべきだと思います。
【 LEVIN | プロフィール 】
La’cryma Christiのドラマー。
様々なアーティストのレコーディングやライヴサポートとして活動中。
レコーディングスタジオ「lab.L(ラボ・エル )」を運営している。
lab.L(ラボ・エル)は、JR五反田、大崎駅より徒歩7分、 完全予約制、1フロア、1ブース1コントロールルームのレコーディングスタジオ。
10セット以上のドラムセット、スネア30台以上、シンバル100枚以上を完備しており、ドラマーが手ぶらでドラムレコーディングが可能。
M 201
● 主な適応楽器 : スネアドラム/ギター(アコースティック・アンプ)
● 主な使用環境 : レコーディングスタジオ/ステージ/リハーサルスタジオ
● 特長
・トランジェント特性に優れ、スネアドラムやアコースティックギターのアタックを繊細に伝達・楽器全体の音を巧みに捉え再現
・ハイパーカーディオイド機能と補償コイルにより、ノイズ抑制とフィードバックに対処・クロストークも可能な限り排除
● マイク周波数特性 : 40 – 18.000 Hz
M 160
● 主な適応楽器 : ドラム(シンバル・オーバーヘッド)/ギター(アコースティック・アンプ)/弦楽器
● 主な使用環境 : レコーディングスタジオ
● 特長
・ハイパーカーディオイド採用により110°でのノイズ抑制が25dB低くなり、背後からのノイズをより少なく捕らえることが可能
・優れた低音域のレスポンス、暖かい中音域とシルキーな高音域で原音を優しく、上品に再現
● マイク周波数特性 : 40 – 18,000 Hz
M 130
● 主な適応楽器 : ドラム/パーカッション/アコースティックギター/弦楽器/ピアノ
● 主な使用環境 : レコーディングスタジオ
● 特長
・2つのリボンを重ねることで、純粋で色付けのないサウンドを実現
・8の字型の極性パターンにより、側面からの不要なノイズを排除
● マイク周波数特性 : 40 – 18,000 Hz
*製品画像は今秋リニューアル予定の新デザインのものです。