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2024/02/14

レビュー記事

【Experts Review ∥ 庄子淳】レコーディングエンジニアの庄子淳氏によるbeyerdynamicモニターヘッドホン&マイクレビュー

今回モニターヘッドホン4機種を試していただきましたが感想を教えてください。

広い空間を描きつつのモニタリングができます。”

庄子氏:まず、DT 770 PRO に関しては「音源の音のままをそのまま聴ける印象」がありました。広い空間を描きつつのモニタリングができます。激しく張り付くように迫力を求めるのは難しいが、奥行き感や定位バランスを取るのには分かりやすく、作りやすそうな印象です。

次に、DT 700 PRO XDT 900 PRO X に関してですが、個人的にどちらもしっくりきました。センター少し強め。 耳への張り付き感が、経験上では耳馴染みがある印象。 リスニング用にも向いていると思いました。 音楽を聴くのには自分の好みでした。 ケーブルとのジョイント部分の部材に耐久性がありそうでありがたい仕様でした。

そして DT 1990 PRO は、先入観なしで視聴致しましたが、 高級感のある綺麗な音が鳴る気がしました。 ジャンルによるとは思いますが、MIXなど作業をすれば分かりやすく聞こえ、バランス的に飛び出る帯域などダメなところも分かりやすくしっかりチェックできるかもしれません。

トップアーティストがレコーディングで使用するマイクという印象が強く残っています。”

ベイヤーダイナミックのブランドイメージを教えてください。

庄子氏:一番最初にベイヤーダイナミックを使ったのが、ある有名アーティストの現場でアシスタントをやっていた時があって、その時に歌録りにベイヤーのハンドヘルドのマイクを使ったので、トップアーティストがレコーディングで使用するマイクという印象が強く残っています。

また、ドラムをレコーディングするときに、ダイナミックで録りたかったのでその時にスタジオ lab.L(ラボエル)のLEVINさんに紹介してもらったり、前使ったことにあるキック用のマイクの良い印象があったので、買って使ってみることにしました。

サウンドの印象的には、芯がちゃんとあって、音瘦せせずにしっかり録れるっていう印象です。特になまっている感じもなく、とにかくサウンドメイキングがしやすいイメージがあります。

レコーディングエンジニア視点でマイクを買うときに決め手となるポイントを教えてください。

庄子氏:ざっくりですが「カッコよく録れるか」ってところはもちろん、印象的な話にはなるのですが、マイクのルックス・デザインも大事にしています。あとは今までやってきた知識や経験と、口コミを参考にして買ってますね。試さなくても、レビュー記事とか帯域表みて、ルックスも好きなものであればそそられます。(笑)帯域表でどのように録れそうかをまず想像してみます。

現在はスネアのトップにM 201、ボトムにMC 930を使用していますが、これらを使うようになった経緯と、それぞれの推しポイントを教えてください。

庄子氏:トップのマイクはダイナミックで太く録れるいいマイクないかなって探していた時にLEVINさんから「探してるのこれでしょ?」って勧めてもらったのがM 201でした。使ってみて、すぐ買いました。(笑)一瞬で探しているものに出会った感覚です。ボトムは別メーカーのマイクを使っていたのですが、スナッピーの散る感じとかを録りたかったので、こちらもLEVINさんがMC 930を教えてくれて、印象がとてもよかったので、それですぐに買いました。

M 201はスネアの「原音がちゃんと録れる」のと、「どこか膨らんでいる感じもなく、しっかり芯があって太く録れる」「後処理がしやすい」という点が推しポイントです。あとは単純に音がカッコいいです。スネア用だったら僕はM 201がベストだと思ってます。

MC 930はスナッピーの高域の散る感じがきめ細かく、鮮やかな印象で録れるのと、下の鳴り感もすごく録りやすいです。あとは持っているM 201との相性がすごく良くて、一緒に使ったときに、位相の管理がすごくしやすいです。あと、PADとLoCutがついていて、すごく使いやすいマイクです。

ドラムのマイクセッティングと際に心がけているポイントはありますか?

庄子氏:位相感を一番大事にしています。あとは、ドラマーのテンションを高めるためにも、カッコよく立てることは大事だと思っています。縦目にすると、リリースも変わるので、ドラマーの鳴らし方や曲の感じで調整したりすることもあります。

なぜベイヤーのマイクは後処理に使いやすいのですか?

庄子氏:まずは感じたのは位相処理です。使っているM 201とMC 930の組み合わせだとかなり揃っているので本当に処理がしやすいです。帯域でどういう風に聞かせたいかを考えて、絞ったり削ったりしてEQ処理をしています。そういった点でベイヤーのマイクは非常に後処理がしやすく使いやすいです。録りの時から、「この音だったら、この帯域を合わせれば、あの音になるとか」「今この曲だったらこういうのが合うだろう」といったイメージが先にできて、実際にやるとイメージ通りになるっていう印象です。鳴り音をナチュラルに録ってくれます。



【プロフィール|庄子淳

2005年キャリアスタートさせる。
2022年よりフリーランスとして活動。

アーティスト、劇伴等、さまざまな現場での経験を生かし 4リズム以外にもオーケストラから和楽器までの幅広い楽曲に対応する録音技術をもち、アーティストに寄り添った作品作りを続けている。

2023年より自身プロデュース、エンジニア Jay Boy 始動

https://www.shoji.bz/ (庄子淳 オフィシャルサイト)


DT 770 PRO 製品情報はこちら

世界中のエンジニア、アーティスト、クリエイターから支持され続ける定番の密閉型モニターヘッドホン – 32Ω/80Ω/250Ω

DT 900 PRO X 製品情報はこちら

最新のPRO Xシリーズのモバイル機器でも高効率で再生可能なミキシング・マスタリング向け開放型モニターヘッドホン – 48Ω

DT 700 PRO X 製品情報はこちら

最新のPRO Xシリーズのモバイル機器でも高効率で再生可能な、レコーディング向けの密閉型モニターヘッドホン – 48Ω

DT 1990 PRO 製品情報はこちら

フラッグシップのテスラドライバーを搭載し、音楽制作の際にディテールまで見える最高級の開放型ヘッドホン – 250Ω

M 201 製品情報はこちら

主な適応楽器 : スネアドラム/ギター(アコースティック・アンプ)

主な使用環境 : レコーディングスタジオ/ステージ/リハーサルスタジオ

特長

・トランジェント特性に優れ、スネアドラムやアコースティックギターのアタックを繊細に伝達・楽器全体の音を巧みに捉え再現
・ハイパーカーディオイド機能と補償コイルにより、ノイズ抑制とフィードバックに対処・クロストークも可能な限り排除

MC 930 製品情報はこちら

主な適応楽器 : ドラム/アコースティックギター/弦楽器/ピアノ

主な使用環境 : レコーディングスタジオ/リハーサルスタジオ

特長

・-15dBの切替可能なPADで、高い音圧にも対応

・250 Hzで6 dB/oct.の切替可能なローカットスイッチにより、近接効果を軽減