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2024/03/12

特集

【M Series History】伝統的スタジオ定番マイク M シリーズの歴史

第1期: 1966年-1984年


1966年: ビートルズ – ツアーで使用

英国帰国後のビートルズ唯一のドイツツアー公演「BRAVO Beatles Blitztournee」がミュンヘン、エッセン、ハンブルグの街で計6公演行われました。そして、この歴史的なツアーの中でベイヤーダイナミックのEcholette E 1000と呼ばれる Echolette リボンマイクがボーカルに使用されました。

1967年: エディ・クラマー – ジミヘンドリックスレコーディングに使用

史上最も象徴的な演奏スタイルを確立し、定義づけたギタリストの一人として称賛されているジミヘンドリックスはトーンとテクニックに多大な革命をもたらしました。彼のデビューアルバム「ザ・ジミヘンドリックス・エクスペリエンス」は言うまでもなくロック史に名を刻んだ傑作です。そのジミヘンのギターサウンドは高い頻度でベイヤーダイナミックのM 160を使い、名プロデューサー エディ・クラマーによってレコーディングされてました。

1968年: グリン・ジョンズ – サウンドエンジニアメソッドに採用

M 160はその後も多くの名エンジニアが使い、イギリスの有名音楽プロデューサーであるグリン・ジョンズにも使用されました。彼自身が作り出した「グリン・ジョンズ・メソッド」は、これまで数多くのサウンドエンジニアに影響を与えてきました。広がりがあり、パワフルなドラムサウンドが録れるマイクは世の中に多く存在しませんが、ベイヤーダイナミックのM 160は彼のメソッドに採用されました。

1969年: フランク・シナトラ – ライブで使用

“The Voice”や“Ol Blue Eyes”などの通称で知られ、カリスマエンターテイナーの象徴的存在であるフランク・シナトラはドイツのハイルブロン製のハンドメイド・リボンマイクのM 500をレギュラーでライブ時に使用してました。特にラスベガスでの伝説のライブは現在人々がラスベガスという街に対して抱く「エンタメに満ち溢れた街」というイメージの構想に貢献しました。

1983年: ユーリズミックス -「スウィート・ドリームス (アー・メイド・オブ・ディス)」 のレコーディングで使用

アニー・レノックスとデイヴ・スチュワート率いるイギリスポップデュオユーリズミックスの名曲「スウィート・ドリームス (アー・メイド・オブ・ディス)」のボーカル収録にM 201も使用されました。現在もM 201は定番マイクとして世界中で使用されています。

1984年:モートン・ハルケット – a-Ha の名曲「テイク・オン・ミー」レコーディングで使用

M 201のナチュラルなサウンドキャラクターはこれまでの音楽ヒストリーを通じ、マイクのスタンダードを築き上げました。あのノルウェー出身の有名グループa-Haのプロデューサーも世界的な大ヒットチューン「テイク・オン・ミー」のモートン・ハルケットのボーカル収録時に使用しました。

第2期: 1985年-1997年


1985年: ベイヤー名機ヘッドホンシリーズ登場

ヘッドホンDT 770, DT 880, DT 990のリリースにより、ベイヤーダイナミックはオーディオファン向けヘッドホン・スタジオ用ヘッドホンの中での新たなスタンダードを 確立しました。ネオジム搭載やデザイン変更などの新しい要素が加わり、サウンドクオリティや着用時の快適性が市場の期待を上回る、高水準のレベルまで到達しました。最初はリスニング向けヘッドホンとしてリリースされましたが、後にヘッドバンドをより堅牢にリデザインし、スタジオ用のモニターヘッドホンとしてリリースしました。

1990年: フィルコリンズ – ツアーで使用

史上最も成功したポップアーティストの一人であるイギリスのレジェンド フィルコリンズも1990年のツアーでベイヤーダイナミックのマイクを使用しました。ドラマーのチェスタートンプソンもベイヤーのトランスデューサーを使用していました。

1991年: ビル・ボットレル – マイケルジャクソンのレコーディングで使用

マイケルジャクソンの楽曲制作にも関わったことで有名なアメリカ出身の音楽プロデューサー、ビル・ボットレルはマイケルジャクソンのシングル「ブラック・オア・ホワイト」とアルバム「デンジャラス」のギターリフをレコーディングで演奏しました。その時に彼が使用したのがダブルリボンマイクM 160でした。

1993年: カートコバーン – MTVアンプラグドで使用

1993年の11/18に行われた、ニルヴァーナの伝説のライブ「MTVアンプラグド・イン・ニューヨーク」でカートコバーンはTG X-480をボーカルに使用しました。

1994年: グリーンデイ – 名盤「ドゥーキー」収録時に使用

「ホエン・アイ・カム・アラウンド」や「バスケット・ケース」などの大ヒット曲を含むグリーンデイのサードアルバム「ドゥーキー」のボーカルレコーディングにM 201が使用されました。

1994年: イーグルス -「ヘル・フリーゼズ・オーヴァー」収録に使用

14年の休止後にイーグルスは再びグレン・フライとドン・ヘンリーと共にステージに帰ってきました。音楽史上で最も伝説的な「バンドの再来」の一つとして知られるイーグルスのライブアルバム「ヘル・フリーゼズ・オーヴァー」のボーカル収録にM 700が使用されました。

1997年: デジタルマイク登場

「革新」を本質的概念として製品開発をしているベイヤーダイナミックの一番最初のアナログのダイナミックスタジオマイクは1939年にリリースされましたが、最初のデジタルスタジオマイクMCD 100は1997年に開発されました。

第3期: 2002年 – 現在


2002年 – 2004年: ノラ・ジョーンズ / ブラック・アイド・ピーズ – ツアーで使用

ベイヤーダイナミックは新世紀にはいっても、あらゆるジャンルにおいて音楽業界を牽引するリーダーたちのチョイスであり続けました。ジャズポップアルバム「カム・アウェイ・ウィズ・ミー」でセールス記録を破ったノラ・ジョーンズ、音楽チャート独占をしたUSヒップホップグループ、ブラック・アイド・ピーズ。両アーティストのツアーではベイヤーのM 88が使用されていました。

2010年: トップドラマーの使用

熱意のあるドラマーのファースト・チョイスであるベイヤーダイナミックのマイクはアーロン・スターリング(ジョン・メイヤー、テイラースウィフト、ハリー・スタイルズのドラマー)やアッシュ・ソーン(アリシア・キース、アデール、デュア・リパのドラマー)らトップドラマーがスタジオ、ライブで使用。今現在も使われ続けています。

2015年: スタジオフラッグシップモデル誕生

スタジオヘッドホンDT 1770 PROとDT 1990 PROがリリース。テスラ・ドライバーを搭載した、高品質な素材とスタイリッシュなデザインから成る、この新たなドイツ製ラインナップは繊細なハイレゾサウンドを実現し、新たなスタジオヘッドホンのスタンダードを確立しました。

2016年 – 2017年: 測定用マイクの現場使用

プロスタジオやライブ現場において必須ツールである測定用コンデンサーマイクMM1とデジタルワイヤレスシステムのTG MMIWがアデールやデペッシュ・モードのライブ会場での測定で使用されました。

2017年: ブルーノ・マーズ – ツアー使用

ベイヤーダイナミックはその後もプロフェッショナルなチョイスであり続け、US発世界的ポップスターであるブルーノ・マーズの24K Magic TourにM 88 TGが楽器用に使用されました。

2019年: NAMMショーのTECアワード Hall of Fame選出

プロスタジオで60年以上もの間、新しいアーティスト、エンジニアの中で人気を得続けてきたダブルリボンマイクM 160がベイヤーダイナミックのマイクとしては初めてNAMMショーのTECアワード Hall of Fameに含まれました。

2021年: PRO Xシリーズ登場

自宅、スタジオでのライブ配信からレコーディングまで様々な環境に対応するPRO Xシリーズとして、スタジオヘッドホンのDT 700 PRO XとDT 900 PRO X、そしてマイクのM 70 PRO XとM 90 PRO Xをリリース。

2022年: スティーヴ・ジョーダン – ローリングストーンズ ツアー使用

長年、ローリングストーンズは、ほぼ完璧なハイパーカーディオイドと幅広い周波数特性を誇るM 88をキックドラムに使用してきましたが、“SIXTY”ワールドツアーでもドラマーのスティーヴ・ジョーダンに使用されました。

2022年: デュア・リパ – ツアーで使用

アルバム「フューチャー・ノスタルジア」により大成功を遂げたデュア・リパの80公演以上を含むツアーでM 201が使用されたことにより、スネアドラム用マイクの新たなスタンダードと利便性が確立されました。